映画感想〜365日のシンプルライフ〜

365日のシンプルライフ 楽しみ

365日のシンプルライフとは

前から気になっていたので、Amazonプライムで見つけて、鑑賞してみました。
2014年の作品のようなので、もう7年ほど前の作品なんですね。

26歳の青年がモノに囲まれる生活を送りながらも、幸福だと感じられずに、「すべてのものを倉庫に預ける」「1年間、毎日1つだけ持って帰る」「1年間はモノを買わない」というルールを決めて、生活し始めるドキュメンタリー映画だそうです。

最初の日は全裸で寒そうな北欧の街を、新聞紙で股間を隠しただけの姿で走り抜け、倉庫からコートを1着取ってきます。

印象的なファーストシーン。

ドキュメンタリーとはいえ、監督かつ主演の彼の伝えたい「何か」はあるわけで、それはたぶんおばあちゃんが言った「人生はモノでできていない」がテーマなのだろうとは思います。

でも、どうかな?「モノでもできている」ような気もします。

結局、主人公のうちにも日にちが経てばチャンとモノが増えていくのだし…

ふだんの生活で「モノ」と「人生」を並べて考えることは少ないので、いろいろ考えさせられる作品とはなっていました。

そういうところがウケたのかな?とも感じます。

北欧の寒くて暗いけれどオシャレな感じも、作品とマッチしていたと思います。

人生にとってのモノとは?

主人公の言葉に「生活するために必要なモノは100個くらい、その次の100個は生活を楽しむため」という言葉があります。
たしかに、ほんとに最低限の生活だけを送るならば、100個もいらないかも知れません。

でも、それはホントに生活と呼べるのか?
豊かになりすぎた現代で、モノに囲まれて、なんだか閉塞感を感じる主人公の気持ちに共感する部分もありましたが、最後のほうでは自分で決めた「新しくモノを買わない」というルールに縛られて彼女の壊れた冷蔵庫を修理もできず、かといって買ってあげられなかったところなんかは、「買わないことだけが幸せではない」とも思い知らされます。

「豊かな人生を送るためには、厳格なルールを設けないほうが良い」と思いました。

とはいえ、最後は仲良さげに彼女と過ごしていましたし、結果オーライなのでしょうか?

26歳の若さの主人公は、これからのまだ先の長い人生、新しくできた彼女との生活や、自分の家庭を持ったり、変わる生活環境の中で、また新しいモノを買ったり、不要なものは捨てたりしながら、幸福とは?モノとは?人生とは?を考えながら生きていくのだろうと思います。

人それぞれ

主人公のおばあちゃんが、老人ホームに入ることになり、それまで住んでいた家から「好きなものを持っていっていい」と言われたとき、主人公が選んだのは「お菓子の入れもの」でした。

おばあちゃんは、おばあちゃんの人生を生き、孫は孫の人生を生き、それを「繋ぐモノ」としての「お菓子の入れもの」だと感じました。

私自身の「モノと人生」

私自身は物欲に旺盛な人生を歩んできたと思います。

正直、ブランドものや人の欲しがりそうなものには興味がなかったけれど…

いつも身の回りには、使っていたり、使ってもいなかったり、たくさんのモノに囲まれてきた。

捨てることもできずに、片づけ下手で手に余る、たくさんのモノたち…

今は、あと生きる20年?30年?まぁ、せいぜい長くて40年強かな?そんなにたくさんのモノはいらないのでは?と感じています。

まだまだ、やりたいことも多いし、物欲も旺盛でもあるのだけれど。

この先の人生で使えるぶんのモノを、ちゃんと使って「使い切ったなぁ、前半は要らないものも、たくさんあったけれど、後半の人生には足るを知って充分で満足な人生を送ることができたなぁ」と思いながら死んでいきたいものです。

モノに囲まれると、なぜか「まだ足りない、もっと、もっと」となり、幸福感が薄くなるような気がします。

「ちょっと足りない」くらいが案外1番幸せなのかな?

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