今年の本屋大賞1位の作品。町田その子の「52ヘルツのクジラたち」を読了。
以下、読んで感想。
そういう内容だとは思っていたけど、虐待、ネグレクト、ヤングケアラー、トラスジェンダー、届かない52ヘルツの声を抱えて生きる優しい人の物語。
私自身の誰にも届かない声が共鳴してしまって、涙ながらにしか読めなかった。
私の声が誰にも届いていないのは、私が誰の声も聞いていないせいかも知れない。
なんでかな?再会した時のあのときの父の顔とか、40年前の記憶が蘇ってくる…
別に虐待されたわけではないけど、ネグレクトはあったからかな?
夜に孤独で押し潰されそうになって息ができない感じ。
誰かの呼吸があれば、安心して眠れる。
誰かの誰かの52ヘルツの声を聴きたい。ちゃんと聴こえているのだと微笑むことのできる人間でいたい。
いつも、いつも、誰も私の話は聞いてくれないと落ち込んでしまう。
「聞いて、聞いて」と一生懸命に言っても、誰もホントには聞いてくれていないように感じる。
52ヘルツの音は聞こえてなくてもさ、村中とかは、穏やかさとか安定とかを与えてくれる気がするな。うちのダンナみたいな感じ…
愛のない結婚生活で申し訳ないとは思うけど、私に穏やかさとか安定とか帰る場所を与えてくれる。感謝して生きよう。
でもいつか魂の番が、私にも現れて欲しいし、52ヘルツで話をしたい…
それは贅沢なのかな?
50年「聞いて、聞いて」というばかりで、誰の声にも耳を傾けられなかった、その報いだろうか?
優しく生きたい。自分にも、他人にも…
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